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税理士の木村聡子(きむらあきらこ)先生

毎年10万社以上新しい法人が生まれていると言われています。
今回は起業1年以内の新人経営者が気になる『顧問税理士は必要?』『税務調査って突然来るの?』などの税務関連の疑問を税理士の木村聡子先生にインタビューしました。
起業に向けて準備中の方にもご参考いただける内容になっています。

 

税理士との付き合い方&選び方編

『売上も多くないし自力でできる範囲だから』と税理士の顧問契約を結んでいない、たくさんの税理士がいる中、どんな人に依頼すればいいかわからないという方のために税理士の選び方、顧問契約を結ぶベストタイミングについてお伺いしました。

交際費の計上ルール、2か所から給与をもらっている場合の処理、税務調査についてまとめた『交際費&ダブル給与編』はこちらからどうぞ

顧問契約をしていなくても節税のアドバイスはもらえるの?

森「設立したばかりで社長一人という会社だと、毎月の顧問料も負担だしそこまで相談事もないから、決算だけやってもらうというケースが多いですよね。顧問契約がなくても、例えば決算の少し前に帳簿を見てもらって節税のアドバイスをもらうっていうことはできるんですか。」

木村「そうですね。これはそれぞれの税理士さんのスタンスにもよるので一概には言えません。ですので、その決算を頼んでいる税理士さんに顧問契約の内容を聞いてみてください。例えば、『うちは決算書を作るだけしかやりませんよ』『もらったデータの検証もしませんよ』だから年1回で安いという場合があるんですね。」

森「なるほど。」

木村「決算前にアドバイスをもらいたいという場合にも、そのアドバイス料が決算料に含まれているのか、別途タイムチャージになるのか。中には年間通して見ないとアドバイスができないと言う税理士さんもいます。毎月の顧問契約を結んできちんと中身を把握しないと適切なアドバイスはできないということですね。実は税務対策というのは、決算の後にやれることは限られていますし、決算の2か月ほど前にアドバイスを求められても、本当に適切な対策は取れないんですね。期首からコツコツと積み上げていかないと節税にならないというスタンスの税理士もいらっしゃいます。確かに決算前に相談していただいてもアドバイスできることは限られてしまいます。」

森「そうなんですね。」

木村先生の事務所。窓際もかわいいです。

木村「まずは、税理士さんに、年1回の決算料でどこまでやってもらえるのかを聞いてみてください。年に1回ではアドバイスできないとしても、例えば3か月に一度、半年に1度などの頻度にした場合はどれくらい見てもらえるかなど色々聞いてみてください。どの税理士さんも、その辺は工夫を凝らしています。」

森「毎月と年1回の間を取る方法もあるんですね!」

木村「そうですね。決算だけという場合は、決算を終えた後に『こういう風にすれば良かったですね』という形でアドバイスしてもらえることがほとんどだと思います。」

森「あはは。そうか後から言われる形なんですね。」

木村「そして翌期にそのアドバイスを自分の経営に活かすという事になると思います。ただ、基本的には年1回決算だけであればアドバイスは期待できないと思ったほうが良いです。」

ひとりでやっている会社でも顧問税理士は必要?

森「顧問契約のやり方は選べるということなのですが、実際にどれくらいの売上規模になったら顧問になってもらえば良いのでしょうか。」

木村「これはですね、売上が立たないうちでも税務の問題が発生することはあり得ますよね。」

森「そうですよね。」

木村「ですので、売上の規模というよりも税理士のアドバイスが必要になるポイントを抑えておくことが大事です。まずは、人を雇った時ですね。人を雇うと源泉徴収とか年末調整といった税務に関する業務が発生します。もう一つは、外注でも源泉徴収が必要になることがありますので、そういった支払いが増えた時ですね。外注の源泉徴収はどういうときに徴収するのかわからないことがほとんどです。あともう一つは国際取引ですね。国際取引でも源泉徴収や消費税の問題が発生します。海外展開を考えている方は税理士が入ったほうがいいですね。」

森「なるほど。確かに自分の知識だけでは対応できない事態がやってくるポイントというのがありますね。」

木村「あと最後に、消費税の課税事業者になった時ですね。消費税は、消費税がかかる取引とかからない取引の基準を知らない方が多く間違えやすいですし、今後10%の時代になれば、軽減税率が導入される予定なのでますます複雑になっていきます。消費税は、原則として年間の売上金額が1,000万円を超えた期の2年後の分から、納税することになります。納税する前のタイミングで、簡易課税か原則課税かの判断をしてもらうことも大切ですので課税事業者になるとわかったら顧問になってもらうことを検討しましょう。」

森「そうですね。消費税は難しいですね。」

木村「少ない知識で間違った処理をしたまま申告してしまうことになりますので、売上規模ではなくて専門知識が必要になったタイミングで顧問契約を結ぶという意識を持っていただくといいですね。」

いい税理士の条件は?税理士の選び方のすゝめ

森「実際に税理士さんにお願いするとなったときに、どういう人を選んだらいいのでしょう。税理士さんから見た『いい税理士の条件』があれば教えてください。」

木村「まず、報酬体系を明確にしていることですね。税理士は報酬の決め方は自由なのできちんとした報酬体系があるということがポイントになります。そして、自分のホームページやブログで『何をやるかやらないか』をはっきりさせて掲載していることですね。例えば会社の顧問なのか、相続税や資産税の案件なのかという自分がやっていることや自分の得意分野を明確にしている方です。というのは、自分がこの人に頼んだら、どんなことをしてくれてどんなことはしてくれなくて自分にとってどんなプラスがあるのかが事前にわかるということが大事だからですね。相続のことを相談したいのに『うちは相続はよくわからない』と言われてしまったら嫌ですよね。」

森「確かにそうですね。」

木村「自分のニーズに合う税理士さんがいい税理士さんだと思うので、きちんとホームページなどで料金も、やれることやれないことも発信している税理士さんがいい税理士さんだと思います。」

森「ホームページにサービス内容と料金がしっかり書いてあると安心ですよね。」

木村「それと、やっぱり人としての合う合わないが大事ですよね。ですので、ホームページやブログ、facebookやTwitterなど自分のメディアを持って情報発信している税理士さんであればそれを見て、その人の理念やクライアントや税金、会計に関しての考え方を知って、共感できる人を選ぶということも大事だと思います。」

森「今はネットで人となりを知ることができますから活用したいですね。」

木村「あとは顧問契約前に面談してくれる税理士さんですね。面談に応じてくれる税理士さんは大体いい税理士さんだと思います。」

森「なるほど。そうなんですね。」

とってもおしゃれなアパートメントの2Fに木村先生の事務所があります

とってもおしゃれなアパートメントの2Fに木村先生の事務所があります

木村「『顧問税理士になってもらいたい』と相談したときに感じのいい対応をしてくれて、税理士側も選ばれる立場だということをわかっている人はいい税理士さんだと思います。税理士事務所には一人でやっているところと従業員を雇っているところがありますよね。」

森「そうですね。」

木村「従業員がいる場合は基本的にはその従業員が担当することになります。税理士はその従業員の仕事のチェックをするだけで、年に一度の決算の時だけしか会えないということになります。ホームページなどで事前に検討してお願いしたい税理士さんを見つけたら是非、その税理士事務所に行ってください。忙しいとは思いますが、チャンスですので絶対に自分から訪問した方がいいです。」

森「へぇ。そうなんですね。」

木村「というのは、自分の会社を担当するのはその先生ではなくて従業員ですよね。もし最初の面談で税理士さんに来てもらってお話をしてとてもいい人だったとしても、実際にやり取りするのはその税理士さんではないのです。」

森「確かに。」

木村「例えばその税理士事務所に行ったときに、従業員が死んだ魚のような目で仕事をしているとか、誰も挨拶をしないとかだったら、ちょっと危険だと思った方がいいです(笑)。」

森「(笑)そうですね。『いい税理士さんの条件』といっても、税理士だからどうということではなく、やはり最終的には人柄や考え方ということになるんですね。小さい会社にとって最も身近な専門家である税理士さんには税務以外のことでも相談する人が多いですよね。設立間もない経営者の皆さんには心強い味方になってくれる税理士さんを選んでもらいたいですね。」

木村「そうですね。」

森「今日はお話を聞かせていただいてありがとうございました。」

木村「ありがとうございました。」

今回インタビューに答えていただいた木村聡子先生のウェブサイト「KIMUTAX.com」はこちらです。
木村先生のご希望で、税理士らしくなくお人柄がよく伝わるようなサイトになっています(サイトは当社でお作りいたしました)。
新人経営者の方に役立つ記事をたくさん書いていらっしゃいますので是非、興味のあるブログを読んでみてください。

カテゴリー: マネジメント

mori

楽しいこと、好きなこと、やりたいことだけを選んで生きることに挑戦するために、2014年に会社員を辞めて”フリーランスの事務のお姉さん”を始めました。 自由に楽しくのびのび生きる人を一人でも多く増やしたいと思っております。 プラス・ムーブメントでの担当業務 バックオフィス全般、火付役兼取纏役